大小様々な土のかたまりを前に書家のように呼吸をととのえ、ピアノ線を用いて一気に決める。ここ何年かの土との向き合い方だ。

大きかったかたまりはどんどん省かれ刻一刻と変化する。 しかし、そのほとんどがまた練り直し元のかたまりへと戻る。

一連の流れを繰り返し、面白いかたちに出逢った瞬間、手を止める。私というフィルターを通して現れる様々なかたち。

しかし、その自我を極力消すことに集中する。着地点を決めない。どんなかたちが現れるか分からないから毎回ワクワク出来るのだ。